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「あ……っ」
テンゲルは無言でナージュを横抱きにして、大きな天蓋つきの寝台に横たわらせる。そうして上からナージュを縫いとめて、キスの雨を降らせた。
ちゅ、ちゅ……と頬や瞼の上、眉など、全てに唇で触れていく。とても愛おしそうに、大切なものに触れるように。
「この世で一番幸せにしてやる」
テンゲルはそう宣言すると、繊細なレースのシュミーズをゆっくりとたくし上げ、宵闇の中で素肌を晒していく。ナージュはテンゲルにされるがまま、息を詰めて見つめていることしか出来なかった。心臓が壊れてしまうと思うほど、鼓動はどんどん強まっていった。
「今日は、俺がおまえに奉仕する。いや、させてくれ」
「えっ……?」
「………愛してる」
その告白が始まりだった。
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