25.永遠の密約 ★ 【最終話】

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「ほら、お前も……」  ナージュも手早く全裸にされてしまい、顔を真っ赤に染め上げる。白く透明な肢体が月夜に照らされ艶やかに輝いていた。  テンゲルはごくりと喉を鳴らした。  口づけでしっとりと濡れた唇が、ナージュの身体を辿るようになぞっていく。喉元から鎖骨を啄ばみ、愛らしい胸の頂きを吸い上げる。 「んぅっ!」  もぞもぞと脚を擦り合わせるナージュを見て、テンゲルも興奮をじわじわと高めていった。何度もしつこく胸を舐め上げられ、桃色だったその部分は紅を付けたように色づく。さらに柔らかな胸の至る所に痕を残し、唇は腹へと降りていった。 「……あっ! ……ふぁ……っあ!」  ナージュの喘ぎがさらに大きく断続的なっていく。テンゲルの舌が臍を舐めねぶり、唾液をたっぷり付けては吸い付いてくるのが堪らない快感を呼び起こして、ナージュは小刻みに身体を震わせた。 「……テ、テンゲルさまぁ……」  舌ったらずで甘えるような声がついて出てしまう。まさか自分がこんな風に好きな人の名前を呼ぶことがあるなんて。自分ではない、でも確かに自分の中にいる新しい「ナージュ」が、テンゲルの前に無防備に晒されていく。そんなナージュの愛しい声を耳にして、テンゲルもまた堪らない気持ちが湧き上がっていた。
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