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「ナージュ……」
まだ昂ぶりの治まらない自身を中に入れたままナージュの名を呼べば、涙で濡れた目がこちらに向かう。煌めく美しい紫色の宝石をうっとりと見返していると、「テンゲルさま、好き……」と掠れきった声で愛らしい言葉が呟かれて、テンゲルは面食らった。
再び力を盛り返しつつある陰茎を中で感じ、ナージュは息を詰めて目元を赤らめる。
「まだ、おっきい……」
率直な言葉がテンゲルの胸を刺し抜いた。深く悩ましい溜息を吐いて、テンゲルはナージュの細い腕をしっかりとシーツに縫いとめながら、問いかける。
「もう一度、いいか?」
ナージュが目を見開いて恥ずかしがる姿に、テンゲルは堪らなく煽られていった。きっとこれからも、ずっとナージュという愛しい存在に狂わされ、そして新しい自分を見つけていくのだろう。
そしてそれはナージュも同じだった。きっとどんな自分でもテンゲルは受け止め、愛してくれる。誰も知らない互いの姿を知る――それは二人だけの密約だから。
ナージュが小さく頷いたのを確認してすぐ、テンゲルは緩やかに腰を動かし始める。熱い二人分の吐息が、再び部屋に響いていった。
終わりのない秘密の夜。窓から差し込む月の光が、二人をいつまでも淡く照らし続けていた。
了
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