遭いたくなかった

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灯りの少ない住宅街の一角。 桜水笑結(サクラミ エミユ)は何かから逃げるように息を切らせながら走っていた。 クリスマスに17歳になるというのに、150㎝と小柄な体型、整ってはいるけれど童顔で、小学生の列に並んでも馴染めそうなことをコンプレックスにしていた。 足がもつれ、転びそうになる。 月も出ていなく、何の明かりなのか外灯もないのにぼんやりとした薄明かりで辛うじて見える。 どこにいるのか、どこに向かっているのかもわからない。 ただただ同じような壁の並ぶ住宅街のようだ。
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