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   それも、1,2週間の話ではなかった。短くても1ヶ月、長期の仕事だ。  【ライド・ポーン】の性能、耐久性のデータ出しは、言うに及ばず、  乗り込んでいるパイロットのデータ出しにも、  かなりの時間がかかるからだった。  全ての条件を受け入れたアキラの派遣された場所は、  辺り一面砂漠だった。  誰に尋ねても、どこの何砂漠かも教えてはくれなかった。  担当の開発者達は極秘を貫き通した。  それは、AIであるガイズでさえも。  アキラの不満2つ目だ。だが、不満はあっても過酷ではなかった。  用は、ヒマなのだ。  24時間コックピットで待機はあっても、常にテスト操縦しているわけでは  なかったからだ。  こうなると、人間は、なんとかして暇つぶしを考えるものだ。  この砂漠は小規模だが、いつでも戦地となりうるとだけ聞かされていた為、  多少の緊張感は持っているつもりだったが、それでも、  ヒマは、ヒマなのだった。  そうして、ヒマを持て余して2週間が過ぎた頃、  比較的仲良くなった一人の開発者に、ある事を聞いた。  【ライド・ポーン】のAIと、会話が可能なのだと。  
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