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肝炎、肝臓ガンに進行する可能性の高い 疾患である。 夏に東京から戻ってきてから、浩也は 夜遅くに酔って帰ってくる日が多かった。 そのツケが回ったのだ。 ヒロヤは変わってしまった。何が彼をそう させたのか。マダム・ルイーズはもう一度 深いため息をついた。 黎がマダム・ルイーズに連れられて浩也の 病室を訪ねたのはその日の夕方だった。 彼は眠っていた。 「西島くん…?」 浩也のベッドサイドで黎は彼の名を 呼んだ。反応はなかった。彼女はマダム・ ルイーズに促されて傍らの椅子に 腰掛けた。
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