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もう会うことは無いと思ってたのに、「家につれてきなさいよ。実物見たいし」と祖母の春恵が口を出す。
「まだ早いって」
「じゃあ、デエトの前でもいいじゃないかい」
『デエト』って……
「デートなんて違う場所で待ち合わしてるの」とかなんとか誤魔化していたのに、その催促が別ルートで彼のもとにいったらしく、結局、本物の初デートをする羽目になった。
仕方が無いので行き先は、初デートとしてはベッタベタに「映画」にした。
話したり何やらかんやらしなくて済みそうだからだ。
家の前に迎えに来た高晴が車から降りると、雅の家族に頭を下げる。
とくに春恵はご満悦だ。
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