1. ショットガン・アイズ

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「じゃあ…………」    ここで解散しようかと思った。  のだけれど、目を赤くした男を一人置いてくのもアレかと思った。 「じゃあ、せっかくだし何か食べませんか?」  カフェ&バーという看板の店に入る頃には、彼も落ち着いたのか目の赤みも取れていた。 「なんだかすみません」  彼はもう一度雅に謝った。  ご飯に誘ったのはむしろ余計なお世話だった感じ?  むしろ針のむしろ……?  向かい合って雅は思った。  この人って見た目よりも誠実な若者だわ。  ちょっと上から目線で評価してみる。  髪型は今時のすっきりヘアでさらさらとしている。  目にはかからない程度の前髪。    イケメン=チャラい  という長年の雅の中の法則が崩れるようだ。  涙もろいところがそう思わせたのかもしれない。  モテそ……  単純にそう思った。  誠実なイケメンならモテるに違いない。  初対面のお見合い相手がしゃしゃり出ずとも、喜んで彼女役を買って出る女はたくさんいそうだ。 「……ご飯に誘って大丈夫でした……?」 「いえ、僕は全然大丈夫です。雅さんはお時間大丈夫でしたか?」  時間の話ね。 「時間は全然大丈夫です」
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