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「この前、星を見に行った時?何をお願いしたの?」
「かっこよくて、やさしくて、パパみたいな人のおよめさんになれますように。ってお願いしたの」
父親は驚いて、でも愛おしそうに娘の目を見つめた。
「そうだね。パパよりもっと素敵な人と結婚してほしいけど、それはパパがお願いするから、ミユは違う夢を叶えたらどうかな」
「パパがお願いしてくれるの?ミユのために?」
ミユはキラキラとした眼差しを父親に送る。
「そうだよ。ミユの幸せは、パパの幸せだからね」
ミユが照れたように笑った。
「パパは、なにかお願いしたことある?星さんに」
「うん。ミユぐらいのときにおじいちゃんと星を見に行って、お願いしたなぁ」
「なにをお願いしたの?」
「優しくて、可愛くて、大好きな人と結婚できますように。だったかな」
父親が照れくさそうに言うと、ミユの表情がパーッと明るくなった。
「叶ったね、パパ!」
父親は、ミユの髪を優しく撫でる。
「そうだね」
そのとき、キッチンから声がした。
「ご飯できたよー。運ぶの手伝ってー」
ミユと父親は顔を見合わせ、声をそろえた。
「はーい!」
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