僕の密かな願いごと -my secret wish-

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「わ……すげえ、あったかそう……」  伊織くんの嬉しそうな声が聞こえるけど、僕は顔が上げられない。 「僕、プレゼントって初めてで、よく分かんなくて、そんなので、ごめんなさいっ」 「なんで謝るんだよ。手触りいいし、高かったんじゃね?」 「ううん、全然! 安物っ……あ、そんなの伊織くんにあげて……ほんとに、ごめんなさいっ」  どうしてもっと高価な品を選ばなかったんだろう。ネックウォーマーなんて、ありきたりすぎる。プチパニックの僕は、すでに半ベソだ。 「おい、顔、上げろ」  乱暴な言い方だけど、優しい声音。  僕はそれにつられて、そっと顔を上げた。  すると目の前に、グレーのネックウォーマーを身に着けた伊織くんがいた。
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