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「伊織くん……」
伊織くんを見た途端、僕の半ベソは、本格的な涙に変わってしまった。
「おいおい、何で泣くんだよお」
「だって……」
伊織くんが風邪をひきませんように。
つまんない僕にいつも優しくしてくれてありがとう。
願いと感謝を込めて、選んだプレゼント。それを身につけた伊織くんを早く見たかった。でもそれが、クリスマス・イブ当日に叶うなんて思ってもいなくて、嬉しすぎて、涙が止まらない。
「よしよし、泣くな」
伊織くんは、僕を抱き寄せた。胸元に鼻先をつけると、ふわりといい香り。伊織くんはいつも香水をつけている。これを嗅ぐと安心する一方で、そわそわした気分になっちゃう。
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