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「相変わらずほっせえな、聖人。ばあちゃんいねえけど、晩飯、ちゃんと食ったのか?」
「……ん……おにぎり……食べた」
「それだけ? 腹減らね?」
「さっき、牛乳飲んだし……あ、まだ、ケーキ食べてない……」
あんなに楽しみにしてたケーキなのに、すっかり忘れてた僕。
それから二人でケーキを食べた。伊織くん、甘いのあんまり得意じゃないのに、僕に付き合ってくれたんだ。
日付はあと少しで明日に変わる。テレビには、普段見ないバラエティ番組のクリスマス特集が流れていた。僕はニュースで見たイルミネーションを、ふと思い出した。
「……瑠璃さん……イルミネーション……綺麗だった……?」
「……ああ」
無愛想に答える伊織くん。本当に綺麗だったのかな。
絶対に言わないけど、僕も伊織くんと見たかったんだよ。
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