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「ふわあ……」
急に眠たくなった僕があくびをすると、伊織くんがくくっと笑った。かっこいいな、伊織くん。
「お子ちゃま聖人は、そろそろお眠の時間か?」
こんな真夜中まで起きていたことのない僕は、すでに夢うつつだ。
「……聖人……」
甘い声とともに、大好きな香りが、僕をふわりと包んだ。そして、柔らかい何かが僕の唇に、触れた。
「あ……ん……」
「やべえ……その声……煽んな、馬鹿」
何がやばいの? 僕、馬鹿なの?
文句を言いたい僕の意識は次第に遠のいて、それは叶わなかった。
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