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時刻は午後十一時過ぎ。僕は不審に思いながら、しつこく鳴り止まないインターホンを止めたくて、「は、はい……」とビクつきながら応答した。
「俺だ。開けろ」
「い、伊織くんっ?」
僕は慌てて玄関に走り、鍵を開けると、息を切らした伊織くんが、玄関ポーチに立っていたんだ。
「どうしたの?」
「これ」
勢い良く目の前に差し出されたのは、さっき僕が伊織くんのお母さんに託した、クリスマスプレゼントの入った袋だった。
「わざわざ届けてくれて、ありがとな」
「あ……うん……」
この日、伊織くんに会えるなんて考えてもいない僕は、嬉しすぎて、うまく返事が出来ない。
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