7.ななみの正体とその想い

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「ごめんなさい。いますぐにはお受け出来ません」 「ええーっ!?」  驚く二人に私は説得するかのように話し始めた。 「日野前くんの気持ちはうれしいし、南野さんも善意でしてくれたことはわかりました。でも」 「でも?」 「彼、私の想像と全然違いました。ぐいぐい引っ張ってくれるのかなと思ったら、メモ帳見ながらのデートがやっとだし、告白も南野さんがプランニングしたものですよね?」 「それは、でも、僕は本当にあなたが好きで」  私が好きだということを強調する。それ以外に言うことは無いのだろうか、どこか自分に自信が無さそうだ。 「だから。お友達から始めましょう。両片想いみたいだったし、これから、お互いのこと、ちゃんと知ってから、改めて、ね」  私の答えに二人は黙ってうなづいた。 「もう一つ、南野さんは、本当は日野前くんのことが好きでしょう?」 「え、あ、何言ってるの、あなた」 「幽霊になっても彼とお話しをして、最後には付喪神の力を借りてまで、ここまでのことをしたんですよね。よっぽど好きじゃなきゃ出来ないと思います」 「……お見通し、ですね。恋の相談をされた時は複雑だったけど、もう私は死んでるんだし、願いを叶えてあげたいと思って……」  日野前くんが絶句したのをみて、私はこちらに話を振る。   「日野前くんは、気づいてた?」  彼はうつむき気味に首を横に振った。 「だったら、南野さんと二人で最後の時間を過ごして欲しい。私はこれからも生きてるよ。でも、南野さんはいなくなっちゃうんだよ」 「うん……」 「あなたの気持ちをくんで、ここまでしてくれた南野さんのこと考えた?」 「……」 「あと一週間、あなたたちの時間を過ごして欲しいの」 「はい……」 「岡崎さん、あの、ありがとうございます」  南野さんの言葉に私は静かにうなづき、日野前くんと連絡先を交換し、その場を後にした。
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