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「……ッ」
「そんな手つきで達けるのか?ちゃんと座って、余を見ながら、両の手でしてみせよ」
云われるまま、寝台の上で胡坐をかいた。ごろりと寝そべって傍観する構えの王の、紅玉の瞳を見つめる。
狂気に満ちた宝石のような眼が、冷ややかにナシェルの拙い自慰行為を見つめている。
吸い込まれそうな冷たいその瞳に、ナシェルは昂ぶった。
王の手や口で、自分のものをしつこく愛されているときのことを考えた。特にぐちゅぐちゅと音を立てながら口でされるときは、良すぎて……、まだ未熟な躯はすぐに達してしまう。
「あ……ふあ、父上……父上」
苦悦の表情を浮かべながら自分のものを慰めている王子を、セダルは冷笑を浮かべて眺めている。父上……と自分を絶え間なく呼ぶ声が、何とも云えず耳に心地いい。
「あ……い、い………イッちゃ、う」
王子はやがてぶるぶると全身を震わせ、とうとう精を放った。
ぐったりと生気を失ったナシェルは、王がくつくつと嗤っているのをどこか遠くの出来事のように聞いていた。
「さあ、次は余の番だ。こちらに来なさい……余は一切動かぬから、そなたが動くのだ」
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