過去編 第二章 「幻獣の野にて」

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 仰向けになった王の上に馬乗りになり、女郎のように腰を振ってみせよと。  ナシェルは泣きそうになりながら、仕方なく云われたとおりおずおずと跨った。  自分から挿れるなんて……怖い……。  怒張した父王のものを、狙いを定めて自分の中に導くようにしながら、腰を落とす。さきほど父王の指と膏油によって寛げられたナシェルの穴は、あまり苦痛を感じることなく大きな塊を受け入れた。 「う……」  それでもギチギチと体内が余裕なく張りつめ、思わず声が漏れる。 「ふ……静かにせぬと、そろそろ衛士達が起き出してくる頃合だぞ。気づかれたらどうする」  冥王は苦笑し、側にあった、ナシェルが自分の精液を拭って放った手拭をとって、ナシェルの口に噛ませる。 「んん…」  屈辱的な姿を強制され、ナシェルはほとんど泣き出し鼻をすすりながら、何とか動いた。  セダルは、自分に似た王子の白く美しい喉許を、うっとりと、だが傲然と、見つめている。  ――ぐちゃぐちゃと、淫らな音が天幕中に響き渡る。
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