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―――気がついたとき、まだ視界はぐらぐらと、覚束なくゆれていた。
体が甘く揺すぶられている。
規則正しい、とめどない律動。
延々と繰り返される上下運動。
ああ、と、ナシェルは朦朧とした意識の底で思う。
父の膝の上で。重たい目蓋を、閉じるか閉じぬかの合間でとろんと波打たせながら。
ああ、まだ、終わっていないのかと。
座位で貫かれているのだ。気が遠くなるほど長い時間――。
耐え難い悦楽。そして時に、稲妻のような白光とともに身の内を遡る性の奔流がある。
強く抱きすくめられ、熱い雫を放たれるたびに体は軋み、澄んだ叫びがナシェルの薄い唇から迸る。
戒められた両手で、もういやいやと王の胸を押し返すが、そのたびに宥めすかすように甘く口づけられて、抵抗を封じられ。
体中が軋む。もう下肢の感覚がない。
手首が痛い。これ、はやく、解いて欲しい…。
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