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「ああ、可愛いよ、ナシェル」
頬にかかる父王の熱い、靜かな吐息。ナシェルは戦慄く唇で接吻を受け入れる。
王子の透き通った桃色の乳首が、前戯の余韻そのままに未だぷっくりとふくれて自分の体を擦るのを、冥王は慈愛に満ちた眸で見下ろし、片手でそっとその莟を撫で、指先で軽く揉んだ。
「あ、……ん」
おおきな指の腹の、吸いつくような感触。
ひくり、と胸をひくつかせるナシェルの体を、冥王は抱き直し、再び下から強く突き上げた。
「ひ! あ……っ……苦し、あぁ」
ずうん、と、最奥に灯る杭の灼熱。逃るる術なく躯をしならせ、ナシェルは息遣いの合間に声にならない悲鳴をあげる。
「父……う、え……! お、願、もう」
「愛しているよ、ナシェル。辛いなら、今度は姿勢を変えて挿れてあげようね……」
哀願に覆いかぶさる父の声。いくら請うても王が満ち足りるまで赦しは出ない。
高波に揺れる小舟のようにただただ翻弄される。
ナシェルのあげる絶え絶えの喘鳴と、繋がり部分の卑猥な音と、手枷の発する金属音、それだけが一層大きく響き渡る。
視界がずんずんと揺れていた。船酔いにも似た感覚が押し寄せる。思わず目蓋を閉じたが、そうすると結合部の抽挿感がいやでも研ぎ澄まされてしまう。
ああ。
まだ、気を失ったままでいればよかった……。
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