死が二人を分かつまで

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『彼女』は錬金術師だった。細く曲がりくねった道を抜けて研究室に帰ってくると、『彼女』は持ち帰った物騒な内容の魔道書を愛おしげに撫で、虚ろな瞳で呟いた。 「待っていて、……必ず、貴方を…」 ……その狂気を孕んだ声は誰に届くこともなく、昏い部屋に溶けて消えていった。
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