第一話 お隣さん

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 門の前に立ったことで気づいた事は、この大きな門には更にその脇に小さな扉があった事。てっきり、この大きな門を毎回くぐっているのかと思っていた。  私が門の観察をしているその間も、彼は嫌な顔1つせずに、ずっと扉を押さえて待っていたらしい。  「どうぞ」  「いや、私はここで」  はて。と、そんな感じの間があった。  彼はまた唐突に話を切り出した。  「和菓子はお好きですか?」  「……はい?」  思わず私も聞き返した。  「和菓子はお嫌いでしたか?」  「……いや、嫌いじゃないですけど」  「良かった!」  「それなら、」 と、彼は私の手を取るや否や、家の中に入っていた。  繋がれた手は、何故か私に嫌悪感を抱かせることはなく、むしろカっと頬が赤くなるのが自分でもわかった。  あれ?もしかして、この人意外と押しが強い!?? 第一話 お隣さん fin.
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