16人が本棚に入れています
本棚に追加
門の前に立ったことで気づいた事は、この大きな門には更にその脇に小さな扉があった事。てっきり、この大きな門を毎回くぐっているのかと思っていた。
私が門の観察をしているその間も、彼は嫌な顔1つせずに、ずっと扉を押さえて待っていたらしい。
「どうぞ」
「いや、私はここで」
はて。と、そんな感じの間があった。
彼はまた唐突に話を切り出した。
「和菓子はお好きですか?」
「……はい?」
思わず私も聞き返した。
「和菓子はお嫌いでしたか?」
「……いや、嫌いじゃないですけど」
「良かった!」
「それなら、」
と、彼は私の手を取るや否や、家の中に入っていた。
繋がれた手は、何故か私に嫌悪感を抱かせることはなく、むしろカっと頬が赤くなるのが自分でもわかった。
あれ?もしかして、この人意外と押しが強い!??
第一話 お隣さん fin.
最初のコメントを投稿しよう!