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私の声に反応したのか、スッと流れるような動作でお隣りさんが私を見た。
そして、にこりと笑うと耳心地の良いよく通る声で、「こんにちは」と挨拶をした。
どうやら彼がお隣りさんらしい。
私は会釈をするのが精一杯で、彼の顔すら見ずに、横を小走りですり抜けてしまった。
挨拶1つで、その育ちの良さが伝わって来るくらい気品あふれる和服の男性。
それが彼に抱いた、私の第一印象だった。
それから1週間ほど過ぎ、私は学校からの帰り道だった。
家の近所にある、気持ち程度に作られた小さな公園のベンチで彼を見かけた。
思わず立ち止まり、傍にあった木の影に隠れて公園の中をのぞき見た。
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