第一話 お隣さん

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 元々、人見知りを存分に対人関係のおいて発揮するタイプだから、特に不思議はないのだけれど。  「すっかり晴れましたね」  「……そうですね」  時折、ビューっと吹く風に腰まである自分の髪の毛がなびく。  制服を着た私は、移行期間に入ったばかりで、まだタイツを履いていない。 そんな私でさえ、足元は少し寒気を感じる。  だから、余計に洋服に対して、さらに風通しの良さそうな着物は寒くないんですか?と、聞きたくなった。  「あ、そうだ。忘れていました」  「……、」  困ったような笑いを浮かべ、私のスクールバックに視線を下げた彼は、  「それ、先日落とされたでしょ?」  「……え?」
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