第一話 お隣さん

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 何のことを言われているのか分からず、取り敢えず自分のカバンを見た。  すると、  「あれ?キーホルダーが……」  指摘されて初めて私は、友人とお揃いでつけていたはずのクマ型のキーホルダーが外れてしまっていた事に気づいた。  「お節介かとは思ったんですが、……今それ僕のウチにあります」  「(…っ!!)」  どうやら、金具が外れかけていたらしく、彼の横を小走りで走り抜けたあの日、私は彼の足元に落として行ってしまったらしい。  私とした事が、何もこの人の前で落とす事ないじゃないか。 自分の運の無さを激しく呪いそうになった。
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