再会

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「久しぶりだな」 そう後ろから声が聞こえ振り向くと、50年ずっと会っていなかった異父姉の結月が、側仕えで旦那のユーリと笑顔で立っていた。 足元には可愛かっていた『ジャックラッセルテリア』のムーン。 天界・魔界・幻界の血を飲んでいるために長生きで、別れた時と全く姿が変わっていない。 店の前を箒で履いていたので、長い箒を持ちながらやっと出た言葉は「結月さん……」の一言だった。 「老けたな。代替わりしてないのか?それではただの老人だろう?」 クスクスと笑われるが、別れた時はまだ18だったので、年相応に68歳のまま見た目を変えずに成長してきた。 「なんで?」 「何でじゃないだろう?帰ってきたんだ。部屋はまだあるな?」 「それは勿論。と、とにかく中に……」 自分の側仕えで、ユーリの弟のノアを呼び、二人とムーが帰ってきたことを告げると、珍しく走って道端まで飛び出してきた。
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