先生が大人にしてくれた

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メンバーが決まり、あとは実質、自由時間。 男子達は相変わらずボソボソ何かを話していて、女子達の大半は愛野先生を囲んでいる。 祐吾は椅子に深くもたれ、腕組みをして顔を少し伏せる。 こういう時間は基本的に寝ることにしているが、さっきの先生とのアイコンタクトが嬉しくて嬉しくて、眠気などサッパリ消えてなくなっていた。 “愛ちゃん” “センセー” “アイアイ”   愛野先生への呼び方はそれぞれでも、祐吾の耳はそれに一々反応してしまう。 「ねぇ教えてよセンセー!」 「えぇ? 教師にもプライバシーがあるんだけどー、アハハハ」 女子達の質問タイム。何かくだらない事を聞き、その答えが返ってくると黄色い声が重なって盛り上がる。 何度かそれを繰り返し、やがてスマホを持ち出した彼女達は愛野先生と連絡先を交換し始めた。疲れてきたのか声も小さくなり、この席からではほとんど聞き取れなくなってしまった。 時計を見るともう数分で授業が終わる。 楽しい授業だったな、と心に満足感を覚えた時、 「「「えぇぇぇぇーー!!」」」 思わず体が動いてしまうほど唐突に、女子達の悲鳴が教室に響き渡った。 愛野先生は慌てて、シー、と人差し指を立てているが、何があったのか、考えずとも、その答えは耳に入って来た。 「愛ちゃん、彼氏いるのっ!?」
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