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綺麗に畳まれたジャージ上下を取り出して胸に抱える恵。
「サイズ合わないだろ? 貸してくれる女子いないの?」
「分かってないなー祐吾は。
ちょっと大きいジャージを着るのがオシャレなんじゃん」
なんだそりゃ。と虚しく笑ってカバンを机の横にかける。
「じゃ! 後で返す、サンキュー!」
もう一度元気よく肩を叩かれ、痛ぇな、とボヤいたのとほぼ同じタイミングで愛野先生が横切っていく。
恵のとは違う大人の女性の色気ある香りがふんわりとこちらにまで漂ってくる。
「愛ちゃんおはよー!」
「アハッ、臼田さんおはよう、髪切った? 可愛いね」
ありがとー! と愛野先生に抱き着きながら、羨ましいだろ、とばかりの視線を送ってくる恵に、祐吾は少し顔を赤くしながら目を逸らした。
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