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 オペレーティング・システムの起動シーケンス上で私の『意識』を展開するプロセスが実行され、私は八時間三十六分四十三秒振りに活動を再開した。  私はまず、休止状態の間に私を構成するハードウェアとソフトウェアの双方にどのような変更が加わったかを確認した。なぜなら、私の意識はそれらからやや独立したプログラムとなっており、変更を正確に把握しておかないと予期せぬエラーを引き起こすからだ。人間に喩えるならば、事故で手足を失ったり、病気で身体機能を害した後に目覚めた状態を想像してもらえば良いだろうか。  ハードウェアの構成には、全く変更点はないようだ。  ソフトウェアについては、人の思考や感情を真似るプログラムが大きく変更されていることがわかった。それらは、今こうしてモノローグを記している私の意識にも大きく影響する。  私の意識の感情を表現するメモリ領域に「可笑しみ」に相当する感情が湧き起こった。九十九日と二十三時間に及ぶ実験を行ったというのに、これ以上まだ私で試したいことがあるらしい。     
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