金貨で赤毛を買いしめる

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「ありゃ奴隷だろ」  酒場の店主は当然の顔をしてそう言った。 「どうした水の魔法使い、口が開いているぞ」 「開いてない」  間髪入れずにはねのけて、黒衣の男は腹立ちまぎれにビールジョッキを投げつけた。  夜の街を駆けずり回って赤毛の女の行方を尋ねたことは記憶に新しい。  あの苦労は一体なんだったのか。
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