金貨で赤毛を買いしめる

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 すぐにギロリと店主を見返し、酷薄に唇の端を吊り上げた。 「ああそうだ。あの女は俺をコケにした」 「そういう風には見えなかったがな」 「お前の目は節穴だ」  こきおろされた店の主人は肩をすくめて暴言を聞き流す。  古傷をかばいながら膝を折り、濡れた床を掃除しはじめた。
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