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「きゃー!!はやい!はやいよ幸村!!こわいー!!」
初めての乗馬は予想外のスピードで私は思わず涙目で叫んでいた。
「ちょおまえ!暴れんな!」
「むり!しぬ!!」
風が直でビュウビュウ当たってちょっと痛いし、景色が目まぐるしく進みすぎて酔いそうにもなった。
「…死ぬかと思った……」
どちらとも無く呟き、2人は馬を降りた。
町に着くのは一瞬だったと思う。
でも私には一生のように長く感じていた。
できればもう暫くは乗りたくないな…。
そんなことを思いながら2人で町を見て回る。
大昔のお店に少し興奮しながら見ていると、幸村が不思議そうにこっちを見た。
「お前、こーゆーのも初めてなのか?」
私は頷いた。
「ますます不思議な奴だな。お前がいた所ってどんなとこなんだ?」
幸村にそんなことを聞かれ、私は現代の街並みを思い出していた。
「一つ一つの建物が高くて、夜でも明かりがいっぱい付いてるの。緑が少なくてちょっと空気は濁ってるかな」
立ち並ぶビルにマンション、デパート。
好きなブランドのお店に入ってちょっと奮発しちゃったり。
そんな日常を恋しく思った。
幸村は私の言葉を聞いて考え込んだ。
「花街にでも住んでたのか?日ノ本でそれっぽいところはそれくらいしか思いつかねーけど」
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