赤毛の女-1

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 いつもならばうっとうしいとはねのけるところだが、今は口を開く体力さえ惜しかった。 「なあ、大丈夫か?」  女の声だ。  身を案じる声が記憶のすみを刺激した。  それが何かを思い出そうとしたが、揺らされるせいで頭がグラグラしてうまくいかない。  女は、放っておいてくれる気はないようだった。
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