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お墓に置くなら、あまり大きなポットではない方がいい。だけど、花でいっぱいにしたいという優未の気持ちが伝わる。
「2つくらい用意する? 切り花の仏花だったら、2つで一対なの」
「うん!!」
優未は嬉しそうに頷くと、自分も花の苗を大きなポットへ移したいとせがんだから、2人で一緒に作業した。
優未はランドセルを下ろすと、手が土で汚れても気にしないで、嬉しそうにアリッサムの寄せ植えを作った。
「そのうちママのお墓をね、このお花でいっぱいにできたらいいな」
「じゃあ、マメにお墓参りに行ってお世話をしてね」
そんなことを言いながら、私はお墓の前にこの白いアリッサムの花が咲き誇っている様子を思い浮かべると、何だか心の中が温かくなった。
この子はきっと、頻繁にお墓に足を運んで、亡き母を想いながら花の手入れをするのだろう……。
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