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けれど獲物を逃してたまるものかというかの如く、その透明な球体は一向にヨウタの手を放してくれない。
そんなヨウタの背後でびちゃっと音がした。
恐る恐る陽太が振り返ると、陽太の背後の茂みから、ぬるりと水のように透明な粘性のある、ヨウタを捕らえている球と同じようなものが這い出してヨウタを取り囲んでいく。
嫌な予感を覚えたヨウタは必死になって前へと進むように逃げようとするが、
「冷たい……え? ひぃ、ひいいいい」
背中に冷たい感触を感じて、そして振り返った瞬間に一気に透明なものに襲い掛かられて悲鳴を上げるヨウタ。
背中だけでなく前の方にもぞもぞとその透明なゼリーのような柔らかい物体が、這っていく。
しかも服が少しづつ溶かされて……肌が露になっていくのを見て、ヨウタは顔を青ざめさせながら、
「ちょ、これってスライム? ま、待ってよ、これは女の子に起るイベントじゃ……誰得……やぁああ、吸い付かないでぇええ」
服が溶かされて露になった肌をスライムは這いながら、その場所を吸い上げる。
まるでその場所その場所、敏感な肌の部分に唇を押しあてられているようだった。
「やぁあ……あぁあ、めぇえ」
今まで感じた事のない感覚に、ヨウタは体を震わせる。
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