ダッチワイフ編2

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ダッチワイフ編2

もし瑛理から新しい恋人を紹介したいと言われたらどうしようかと身構えていたけど、三日経っても連絡はなかった。宙の誕生日を祝ってくれた時に、忙しい時期と話していたからだろうか。 できればこのまま、なにも言わないでくれたら楽だ。目の前で惚気られたら、嫌な感情がそのまま全部顔に出てしまう。 星夜とはいろいろと話した。休憩時間もスマートフォンを手放さず、会えない寂しさを埋めるようにメッセージのやり取りをした。 尋ねたことすべてに答えてくれるわけではないけど、丁寧に説明をしてくれる。聞いているうちに、宙が思っているよりもすごい人物だということが判明した。 『ほんとうに、王子なの?』 『あぁそうだ。事情があって、俺の生まれ育った星は消滅してしまったが……そのおかげで地球に辿り着いて、宙に会えた』 『なんだかよくわからないけど、異世界から来たってことかな。すごいよね。俺には想像もつかないや』 宙は映画やテレビをいつも見るわけではないが、瑛理が関わった作品限定で見ることはある。最近見たのが、異世界から勇者が召喚されて現代で面白おかしく生きていくという内容だった。     
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