目眩めく思い・可憐だ

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 今日は何月何日だろう?それだけはいつまでもわからない。始まりがいつだったのか、始まりが始まる前には何があったのか。終わりはあるのか、終わりが終わった後には何が始まるのか。今まで積み重ねてきた概念が、いかに脆弱なものだったかを悟る。そしてその刹那、浮遊感を覚える。ああ、僕らは今、重なった。そしてまた、これを繰り返す。遡ってやろう。まだ気付いてない彼らに教えてあげよう。この心地良さを教えてやろう。僕らもまだまだレベルが低いな。  僕は遡り、語り始めようとする。その前に、この感動を声に出そう。声に出した瞬間、感動は大気と混ざり、意志は薄まってしまうだろうが、まあいい。それもまた、逆らえない自然の流れだ。身を任せてしまおう。 「ああ、  僕が僕を繰り返す。  そう、僕は、永遠に、ただ、この、時計の針をまわすだけ。  この、重いカレンダーをめくるだけ。
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