仲間外れ

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仲間外れ

 新学期のクラス替え。  クラスの女子のボス的存在に一方的に嫌われ、女子全員に仲間外れにされるようになった。  平気じゃないけれど、親が心配するから学校を休むことはできない。全然行きたくないけれど遠足にも参加しなければならない。  女子はみんなアタシをのけものにして、男子達は見ないフリ。  こんな遠足、来るんじゃなかった。仮病でも何でも使って休めばよかった。  そう思った瞬間意識が途切れて、気づいた時、私はクラス中の女子に囲まれていた。 「ホント、アンタって邪魔っけよね」 「何でアンタなんかうちのクラスにいるのかしら」 「アンタなんかいなきゃいいのに」  全員がアタシを糾弾する。その状況に涙が溢れそうだったけれど、必死にこらえてアタシは周りの全員を睨み返した。 「アタシだって、こんなクラスにいたくないもん!」 「だったらどっか行きなさいよ!」 「行くわよ!」 「言ったわね? アンタなんか絶対仲間に入れてあげないんだから!」 「アンタたちの仲間なんて真っ平! 絶対仲間になんかならない!」  そこでまた意識が途切れ、気づいたとき、アタシは病院にいた。  後で聞いた話だけれど、遠足のバスが対向車に衝突され、大勢の死傷者が出たらしい。  特に、女子で助かったのはアタシだけだったそうだ。  その話をかなり後で聞いても、アタシは『そう』としか思わなかった。  かわいそうとかなんてまるで思わないよ。そもそも、アタシなんか仲間に入れない、どこかに行けって言ったのはクラスの女子達だし。  あー。あんな子達の仲間にならなくて本当によかった。 仲間外れ…完
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