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どれくらい 沈黙が続いただろう テーブルの上の携帯が高い音を立てながら振るえた 2人ともビクッとして  四宮くんは携帯を見る  そして僕をみた 口の中が渇いてしまって 喉を締められたように苦しくなる 言葉が出てこない 四宮くんは 携帯に出ようとしない 四宮くんは僕の返事を待っているんだ 締まった喉を開けるように 息を吐き 目の前のコーラを1口含む カップのまわりは水滴だらけになっていて 手が濡れてしまった その手を見つめながら   「よろしく お願いします」 と頭を下げた
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