7人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
「僕、ハンバーガーでいいよ? 四宮くんは?」
水族館の出口に向かいながら話す また手は握られていて 少し恥ずかしい
「小野寺」
改まったように名前を呼ばれて 見上げる
「優人(ゆうと)って呼んでいい?」
「はぅ」
胸が苦しい なんだろこれ 僕は立ち止まって自分の胸を抑えて「ごめんなさい」と言った
顔が熱くなって胸を抑えても心臓が飛び出しそうだ
「ダメなの?」
寂しそうな声に顔を上げるが その瞬間四宮くんが薄暗い通路の隅に僕を連れて行って 僕の顔を隠すように四宮くんの胸に抱きしめた
「ハァ~ 小野寺、心臓に悪いよ その顔」
溜息交じりの言葉に そんなに酷い顔をしてたのかと思い「ごめんなさい」と謝った
「ホントだよ その顔は俺と2人きりの時だけにしといて だから名前で呼ぶのは2人きりの時だけだな」
最初のコメントを投稿しよう!