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「僕、ハンバーガーでいいよ? 四宮くんは?」 水族館の出口に向かいながら話す また手は握られていて 少し恥ずかしい 「小野寺」 改まったように名前を呼ばれて 見上げる 「優人(ゆうと)って呼んでいい?」 「はぅ」 胸が苦しい なんだろこれ 僕は立ち止まって自分の胸を抑えて「ごめんなさい」と言った 顔が熱くなって胸を抑えても心臓が飛び出しそうだ 「ダメなの?」 寂しそうな声に顔を上げるが その瞬間四宮くんが薄暗い通路の隅に僕を連れて行って 僕の顔を隠すように四宮くんの胸に抱きしめた 「ハァ~ 小野寺、心臓に悪いよ その顔」 溜息交じりの言葉に そんなに酷い顔をしてたのかと思い「ごめんなさい」と謝った 「ホントだよ その顔は俺と2人きりの時だけにしといて  だから名前で呼ぶのは2人きりの時だけだな」
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