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お金で愛を買うことはできません。でも、ときめきなら立ち見で一五〇〇円から買えます。
私が「宝塚歌劇」という舞台芸術のジャンルをいつ好きになったのか、正確な時期は物心つく前でしたので覚えていません。ただ、遅くとも幼稚園にいた頃にはすでに宝塚が好きだと自覚していました。
「大人になったら、劇場で宝塚を見よう」
それは、幼稚園児の頃からの私の夢でした。それからずっと、NHKで演目が放送されるときは録画し、バラエティ番組で宝塚特集をする時も録画し、ちょくちょく公式サイトをチェックするといった、テレビやパソコンの画面を通した宝塚ライフを送ってきました。
「いつか生で見たい」という気持ちは、画面だけでの宝塚ライフが長引くたびに強くなりました。覚悟を決めて大学一年生の冬、私よりも後に宝塚を知ったはずなのにディープすぎる宝塚オタク(以下ヅカオタ)となっていた幼馴染にチケットの手配を頼み、長年の願望をかなえたのがすべての始まりでした。
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