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一度イッちゃえ。あたしはそう念じながら、手の動きを早めた。泡と先走りで、沢畑くんのソレがぬるぬるぐちぐちと音を立ててぬかるむ。赤黒くそそり立つ沢畑くんのイチモツはこれ以上ないほど硬くしなり立ち上がっていて、あたしはそれを見ているだけで濡れてくるのを感じた。
ビクビクっと動くソレに、イくのかな? と思っていたけれど、沢畑くんはぐっと歯を食いしばり我慢していた。なんで? 我慢しなくていいのに。
沢畑くんの顔が蕩けている。上気した?と、小さく空いた口、そしてあたしを映す黒い瞳。あたしの疑問を湛えた表情を凝視しながら、沢畑くんは口を開いた。
「約束……覚えてますか……?」
低く何処までも甘い声音があたしの耳朶をくすぐる。約束? あ……流鏑馬の前にした約束のこと?
こくこくと頷くと、沢畑くんはふっと溶けそうなくらいの笑みを浮かべる。なんでも言う事を聞くって約束だったけど、どんなエロい事をお願いされるのか、あたしはちょっと身構えてしまった。
「……名前で」
「……え?」
「名前で、呼んで」
「……」
子供のように甘え強請る声で、沢畑くんはそんな事を言ってくる。……もう。本当に! ズルイズルイ! いつも凄いタイミングでするっとあたしの心を揺らす事を言ってくるんだもの。
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