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ミチにとっては今の会社では未来が見えて来なく、結婚しかないにしても相手がいない。今の会社を辞めてから、新しいスタートとなるのだが、大好きな猫がいて、おまけにお気に入りのあのお 店が職場になるなんて信じられなくて、頬っぺをつねりながら帰路を急いだ。慣れない仕事に少し疲れたが、田舎の母に転職話を電話して、母からも若いのだから好きな道を歩めば良いと言って貰った後にはバタンキューで眠った。夢は猫たちの下敷になっていたのだが、何故か猫たちに踏み潰されながら笑っていた。目覚めた時には象じゃなくて良かったと思った。返事はいつでも大丈夫とのことだったが、会社へ行く前にOKのメールを送り、猫カフェに立ち寄った。オーナーが大喜びしていた。最初はオーナーに履歴書を提出してからモーニング準備を教わり、上階の保護部屋には助っ人が一緒に働いてくれることになった。
会社では寿退社と噂になっていたらしいが、それはミチが普段よりウキウキしていたかららしい。確かに以前よりニコニコしていた。そうして晴々とした気持ちで会社にサヨナラして、翌朝はもう、モーニング猫カフェではなくて、新しい職場へと軽やかな足取りでオーナーの言葉を思い出していた。「きっと貴女も私も前世は猫だっただったのかもよ。私なんかきっと凶暴な山猫だったのよ。」思わずショーウインドウに映るミチの姿を見たら、猫のようなヒゲと尻尾がビョーンと生えていたので、焦って眼を擦り、もう一度見たら、いつもの人間の姿に一安心しながら、クスッと一人で笑ってしまった。そして、嵐のような猫達の朝食の準備をワクワクしながら済ませ、猫達の迫力に圧倒されながら、新しい素敵な朝を迎えていた。
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