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「言葉がわからないから違うんじゃない?」
とにかく向かってくる半魚人を三人背中合わせで、飛び道具を使って倒して行く。
慶一郎は弓、バズビーは斧を器用に投げ、自分はブーメラン改で倒しながら数を減らしていくと、ドスン、ドスン、とひときわ大きな足音に比例するかのような半魚人が出てきた。
「おめぇら、人魚さ連れ出しに来ただか?」
あまりにも訛りのある言葉についブッと吹いてしまい、それに腹が立ったのかいきなり槍で襲いかかられる。
「あ、水槽にボタンがあるよ!」
ロンがポケットから顔を出して指をさしたほうを見ると、小さなパネルがついている。
「さっきの指さしてたのあそこのことだったとか……」
「出てきちゃったんだから今更遅いって!ロン、こっそり近付ける?」
「僕、頑張る」とリュックを背負いポケットからぴょんと出てみんなの足元に隠れながら移動しているのを見て、半魚人に「街の人達を元に戻せよ」と王道的なことを言ってみる。
「オラをたおざねぇど、無理だべ? それに、人魚は苦労して捕まえたんだがら、おめえだぢにやるわけにはいかん」
「訛ってる……」
「オラのこどばが、ぞんなにおがしいだかー!」と槍をいくつも投げ飛ばしてくるので、なにかの魔法だろうと思いつつも避けるしかなく、ロンがつくまでは時間稼ぎもしないといけない。
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