翼を広げて

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翼を広げて

こんなことあいつは望んでないのかもしれない。 フェンスに寄りかかりながら考える。震えもしないこの手はあいつの腕を掴むことが出来なかった。 あいつのいない未来なんて要らない。あいつの望まなかった明日なんて生きる価値もない。 あの日語ったあいつの夢は叶える事が出来なくなった。そう思ってた。 でも、僕なら叶えられる。 僕に二文字の言葉を届けなかったガラクタを置いて。一人で拳を握りしめて、涙を流しながら空を飛んだあいつ。 「二人の夢を叶えよう...。」 青い空はどこまでも透き通って僕に翼をくれた。 -fin-
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