秋の国

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お昼は蕎麦屋があったので、そこで簡単に済ませ、それでも時間があったが宿に戻り、書き写しと宿題のプリントを済ませて、風呂に入る。 「足が伸ばせるー!気持ちいい」 「ぼ、坊っちゃま。ここは手すりが無いのであまり奥に行かれませんよう……」 「あそこのお湯の出てるとこに行きたいから。お湯の中だから平気だよ」 そう言って、岩の間から出ているお湯の所に行き、滝修行みたいといいながら打たれ、「結構キツいかも」とワニ歩きをしながら戻る。 「良かったね、広いお風呂で」 「ここからは風呂もこんなに広いところはないと思いますから、体を伸ばせる時に伸ばしておきましょう」 「うん。ここは街だから、ご飯は普通かな?」 「芋はやはり出るでしょうが、良い宿ですから期待していいと思います」 旅での楽しみの一つが食事ではあるが、早く書き写しをして昴と胡蝶に渡さないといけないのでと、重次にも手伝ってもらい、書き写しを終らせる。 「呼んだら来てくれるのかな?」 「はい。杖のことも伝えた方がいいと思います」
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