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子供の人数がいる分、大量に作らないといけないのは大変だけれど、それは適当にこっそり魔法で補完している。
そこで手伝いにやってきたメルトが、僕が丁度炎の魔法を使うのを見て、
「お兄さんは、魔法使いなのですか?」
「うん、そうだよ。ここの元院長が魔法使いだったのもあるしね。僕達は皆魔法が使えるんだよ」
「……お城にも魔法使いは排出しているのですか?」
「うーん、まだ独学に近い感じだし、そこまで凄い子は今はいないかな」
それを聞いて、メルトは安心したようだった。
それはそうだろうと僕は思う。
あの城にいる魔法使いの幾らかはメルトの顔を知っていて、メルトの命を狙っている。
こんな可愛い子に惨い事をすると僕は思いながらも、それを知らないふりをして話を変える。
「あ、でも、メルトの面倒をみているルイーズは、とても魔法の才能があるみたいだよ?」
「そうなのですか?」
「うん、僕の贔屓目もあるだろうけれど、きっとその内、お城の魔法使いにもなれるんじゃないかと思っているんだ」
「……そうなんですか」
それを聞いて、メルトが嬉しそうな顔をする。
このメルトは、思いのほかルイーズを気に入ってしまったらしい。
仲のいい子が一人でもいると落ち着くだろうと思って、僕は、良かったと思う。
一人では心細いであろう幼い子供。
しかもこの少年、エリアスの子供の頃化と思うくらいに似ているのだ。
だから昔はエリアスはこんな風だったのかなと思いながら、僕はこっそり心の中でにまにましていた。
そんな事を考えているとそこで、こんこんと扉を叩く音が聞こえる。
エリアスだと思って、こっそり魔法を使って確認してもやっぱりエリアスだったので、
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