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だからあの魔法使いを俺は、慌てて突き放した。
そしてすぐ帰るといえば、あの魔法使いは容易に手を放す。
お前は俺が好きなんじゃないかと問いたくなるくらいに、あっさりとした反応だ。
そして孤児院に来れば新しい子供が入っていて、俺がパパだそうだ。
一瞬くらっときてしまうくらい、その子供は昔の俺に似ている。
何でも昨日の夜やってきた子供らしい。
そんな中、俺は孤児院のルイスと会話をしていて……違和感を覚える。
あの魔法使いに話した内容を、孤児院のルイスも知っているような錯覚を覚えたのだ。
気のせいとしか思えないのに、俺は妙に引っかかる。そこでルイスが、
「明日は森に皆でキノコ狩りに行くんだ」
「そうなのか? 近くのスタンの森か?」
「うん、そうだけれど、どうしたの?」
「今あの森は、魔物が出るという噂がある」
「でもとれたてのキノコは美味しいよ? それに少しくらいは大丈夫だよ。あの森は僕はよく知っているし」
そうルイスが言うのを聞いて俺は、明日はあの辺りを見回りにするかと決め、その日は自宅に戻ったのだった。
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