78人が本棚に入れています
本棚に追加
/137ページ
「……昨日の貴族に、何か……」
「あ、あいつの話はするな! き、今日だって……」
震えだすゲルトの様子に、一晩でいったい何がと俺は思ったが、聞き出せそうにない。
まるで憑き物が落ちたような怯える小動物っぷりが、まるで別人のようだ。
そして孤児院の方のルイスを探して、ゲルトと共に森に向かうが、そこで襲われるルイス達を見つけて、助け出そうとしたのに……間に合わなかった。
周りの敵をとりあえず助けて、子供達の保護をゲルトに頼み俺は彼らをさがすが途中で見失ってしなう。
だがそこでオルヴァの部下と出会う。
これもあの魔法使いにはすでに読んでいたことなのか。
信頼するのではなかったと俺は思う。
もっと早く、孤児院にいる時に留まるよう言わなければならなかったと俺は思う。
そして助けに行き、二人の子供を保護する。
二人は、俺に似た子供もひとり含んでいて、奇妙な人形を持っている。
しかもルイスは囮になったと聞いて俺は血の気が引く思いだった。
だがら俺は、そこから探しに行こうとした所でオルヴァの部下から、孤児院の方のルイスが保護されたと俺は聞く。
慌ててオルヴァの屋敷にむかった俺は、そこで、オルヴァに重要な話があると言われたのだった。
-----------------------
よく知っている友人に、ルイスの容態を聞くと、大丈夫だと言われてしまう。
代わりに今のうちに話しておいた方が良いだろうとオルヴァに言われた言葉が、これだ。
「オルヴァ、今なんて言ったんだ?」
「エリアス、お前は現在の王の隠し子だ」
冗談をよくいう、身分が違うはずの親友の顔を俺はまじまじと見る。
だが彼は真剣な表情だ。
あまりにも現実感がなさ過ぎて、
「そうか」
「……信じていないか」
「信じられると思うか? 今まで普通の一般人として暮らしていて、ようやく剣の才があって騎士団に入ったのに……」
「知っている。保護も兼ねて、色々調べたからな」
最初のコメントを投稿しよう!