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2人ともバスケ部に所属していて、誰が見てもお似合いの2人で、そんな2人の間に私が入り込む余地なんてなかった。
私は美術部に所属していた。そこに居たのが、伊波くんの友達の江藤くんだった。
共通の友達だった私達は自然と4人でいる事が多かった。私も男友達の中では江藤くんが1番話しやすかったし、きっと彼もそうだったのだろう。
中1の夏からの4人の関係は、中2の初めに江藤くんからの告白で変化した。
私は自分の気持ちに嘘をついた。
だって、絶対に叶わない恋だったから。
私は江藤くんからの告白を受け入れた。
付き合うと言っても、やる事は変わらなかった。4人でお昼を食べ、帰りは一緒に帰る。
ただ、部の活動時間や曜日が違う時もあったから、そんな時は2人きりで下校する時もあった。
付き合う前は2人きりでも面白おかしい話ばかりしていたから、江藤くんが男の子だという意識はさほどしていなかったが、いざ彼氏となるとおかしなくらいに緊張したりもした。
それは江藤くんも同じだったようで、以前よりも口数が減っていた。
代わりに手を繋ぐようになった。
緊張はしたが、伊波くんを想う時のような胸のときめきは感じなかった。
そんなある日、伊波くんの転校が決まった。
『誰にも言えない“秘密”を書いて学校に埋めない?』
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